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「それで? 如月くん、何ですって?」
貫次のちょっと憮然とした顔を見やる友美は、わずかに笑みを浮かべてる。
「……あの疫病神め。俺に結婚式の二次会の幹事をやれと言いやがった」
舌打ちをして、貫次はスマホを胸ポケットにしまう。
「くそっ、昔は簡単にあしらってたのに、いつの間に扱いにくくなってんだ……」
独り言みたく愚痴る貫次は気付いてないようだね。
変わったのは如月陽司じゃないよ。彼が扱いにくくなったわけじゃあない。
人の頼み事なんて徹底的に無視してた君は、いったいどこにいったのかな。
変わったのが貫次の方だって、友美はどうやら分かってる。
「柚木くん、引き受けるんだ?」
「しょうがねえだろ。ったく、ジョージといい、最近人使い荒いヤツが多すぎる」
友美には知りようもない悪魔の名前を呟いて、貫次は大きく欠伸した。
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