⊿面倒事は突然に……

5/6
前へ
/20ページ
次へ
「それで? 如月くん、何ですって?」  貫次のちょっと憮然とした顔を見やる友美は、わずかに笑みを浮かべてる。 「……あの疫病神め。俺に結婚式の二次会の幹事をやれと言いやがった」  舌打ちをして、貫次はスマホを胸ポケットにしまう。 「くそっ、昔は簡単にあしらってたのに、いつの間に扱いにくくなってんだ……」  独り言みたく愚痴る貫次は気付いてないようだね。  変わったのは如月陽司じゃないよ。彼が扱いにくくなったわけじゃあない。  人の頼み事なんて徹底的に無視してた君は、いったいどこにいったのかな。  変わったのが貫次の方だって、友美はどうやら分かってる。 「柚木くん、引き受けるんだ?」 「しょうがねえだろ。ったく、ジョージといい、最近人使い荒いヤツが多すぎる」  友美には知りようもない悪魔の名前を呟いて、貫次は大きく欠伸した。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加