名前で呼んでよ、からの・・・

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「『むぉぉぉぉーー!』」 私と奏悟の私室からは苦しみに満ちた呻き声が漏れていた。 いつも思うけど、どうしてもっと早くから勉強しておかなかったのか… 「二人ともうるっさい!僕もテスト勉強してるんだけど。」 うぅ…怒られた。 『うるさくして、ごめんなさい…』 ドアをちょっとだけ開けて、廊下で不機嫌オーラを立ち昇らせる和歌に謝る。 目が合った和歌は一瞬表情を崩しそうになってから思い直したように無表情に戻って 「何でもかんでも甘くしないからね。 常識的にダメなものはダメだから。」 そういい残して私室に入って行った。 別にそういうつもりじゃなかったけど…ちょっとあったけど… すごすごと机に戻る。 なんじゃこの応用問題。 解ける気がしないけど、それが何か? 自分の不出来を棚にあげて、参考書にキレていた。 やめた!理数系は苦手なので、日本史を暗記することにした。 これは決して嫌な事を後回しにしてる訳ではない。 と、誰かに言い訳して数学の教科書類を乱暴にどけた。
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