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「おはよう由宇。風邪、大丈夫?」
翌日。
滅多に休まない私が休んだせいかかなり心配の様子で奈津美が寄ってきた。
私は心配かけまいと頑張って笑って見せた。
教室の竜哉の姿を探す。
いつもと変わらない様子で笑っている。
少し、安心した。
でも、そんなに甘くないってすぐに思い知らされた。
竜哉の視線がふと私をとらえたかと思うとすぐ流れていった。
気のせいかと思ったけど違っていた。
竜哉は私をまったく見ようとしない。
―――まるで『私』が存在していないみたいだった。
苦しかった。
でもそれは自分がしでかした代償……
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