33人が本棚に入れています
本棚に追加
それから竜哉は本当に私を見ようともしなかった。
みんなで話しているときも私だけはカヤの外。
自分がそうさせたのに辛い。
好きな人の『目』に映らないなんて……
「いったい、どうしたの?」
さすがに見てみぬフリもできなかったみたいで奈津美が聞いてきた。
私は張りつめた糸がプツンッと切れて周りも気にせず奈津美に泣きついた。
その様子に気づいた佐々木も竜哉に何か言っていたみたいだった。
でも竜哉は机をガンッ!と思いっきり蹴ると佐々木が止めるのを振り切り教室を出ていってしまった。
私が悪いんだ……
そう思ったら涙は止まらなくて……
奈津美は人目があるからと私を教室から連れ出してくれた。
.
最初のコメントを投稿しよう!