33人が本棚に入れています
本棚に追加
「好き、だから……」
震える声をふり絞った。
決して口にすることはないと思っていた言葉。
―――口にしてはいけない言葉。
でもこれ以上、嘘をつくことができなかった。
自分に嘘をつくたび
自分に言い聞かせるたび
胸が締めつけられるほど苦しかったけど我慢できた。
でも竜哉に……好きな人にあんなこと言われて平気でいられるほど強くはない。
気づくとしゃくりあげて泣いていた。
こんな子供みたいな泣き方が恥ずかしかったけど我慢できなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!