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 桐島は冷たい口調で言ったが、鈴那は缶を集めている手を止めず、お金をしまおうとはしなかった。 「ちゃんとご飯は食べてるのか?」  その質問にも、鈴那は何も答えずに黙っている。 「まぁいい」  鈴那はそれからも黙々と片付けをして、床も拭き掃除をした。 「綺麗になったな。どうだ、気持ちがいいだろう?」  そういう桐島に、鈴那は無言で頷いた。  さっき佐々木から聞いた加藤とのことは、突然の桐島の登場と行動によって、少しの間考えなくて済んだものの、やはり鈴那の胸はキリキリと傷んでいた。 「君、お腹すいてるだろう? 実は俺も空いてるんだよね。勝手に冷蔵庫の中身借りるよ。掃除してあげたんだから、拒否しないでね」  鈴那が返事をする間もなく桐島はキッチンへと行き、冷蔵庫を開けてペットボトルを一つ掴むと、鈴那の元に戻ってきた。 「君はテレビでも見てれば? はいビタミンC。これでも飲んでいるといい」  そう言って鈴那にビタミンドリンクを渡し、桐島はまたキッチンへと戻っていった。
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