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「みなしゃん元気れすか?」
「うん、元気よ。鈴那ちゃんが辞めちゃったから、みんな寂しそうにしているよ。実家に帰るって聞いたけど、どうなったの?」
「最初は実家に戻ろうとおもったんれえすけど、やめました」
「そうなの……」
「そうなんれす」
「あっ、そういえば、鈴那ちゃんに言っておきたいことがあったの。身内に不幸があったばかりだから、言わないほうがいいのかって悩んだんだけど……」
「なんれすか? いってくらさいよ」
「うん……」
佐々木は言いにくそうにしていたが、一息おいて「私ね、結婚することになったの」といった。前置きがあったから、そんなことだろうと予想はしていた。
「おめれとうございます。って、佐々木さん、いつの間に。彼氏いにゃいって言ってたのに」
「本当は一年前からいたの。ごめんね、彼の立場上、言えなかったのよ」
「誰れす、誰れす?」
こういうことを聞くとき、それほど興味があるわけでもないのに、自然にテンションが高くなってしまうのはなぜだろう。
「それがね……」
「もったいぶらないでくだしゃいよ」
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