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そう綺麗に書かれた字。綺麗な字を書く男のひとが周りにいなかったため、珍しかった。
「綺麗な字……」
そう呟きながら、玄関へといき新聞受けから鍵を取った。
丁寧に番号とアドレスの書いてある紙を持ったまま、冷蔵庫開けて水のペットボトルをだし飲む。
しばらく紙を見つめた後、お礼は言っておくべきだと携帯を手にとった。
きっと仕事中だろうとメールを作成する。
『昨日はどうもありがとうございました。変な事は考えてません』
そう打ち送信した。
桐島という男の顔を思い浮かべ、昨日話していた事を思い出した。
亡くなったという友人の話しだ。桐島はとても苦しんでいるようだった。
「私と似ているか……」
そう呟いて苦笑いしたあと、酒に溺れてはいるが自殺は考えたりしないと思った。
「なんで私が」
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