第4話

４

　愛美は次第に身体だけでなく心をまでも惹かれ、今では好きな人と一緒に過ごすことができるという喜びを感じている。

　しかし、この関係が崩壊することが怖くて、愛美はその気持ちをひた隠しにしていた。

　桐島にとっては単なる身体だけの関係であっても、愛美は抱かれている時だけは自分は必要とされているとおもえた。

　こういう関係は、決していいことではないと愛美も理解している。それでもつながっていたかった。桐島を愛してしまったから。

　でも、桐島はキスをしてはくれない。満たされるのはいつも身体だけ。

　愛美は桐島に抱かれるたびに、心が離れていく気がしてならなかった。