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 愛美はそんな鈴那の態度に、少し苦笑いをこぼしたが、事情を知らない桐島は普通に見送った。  身体だけの関係というのがどういうものなのか、鈴那にはよくわからない。でも、あんなふうに割り切れるものなのだろうか。そう考えてハットした。加藤にとっては、自分もそういう存在だったのだと。そう思うと途端に足が重くなり、胸が苦しくなった。 「はぁ……ばかだな……私」  鈴那は独り言を呟き、途中のコンビニでビールをかって帰宅した。  ぷしゅっとビールの炭酸が抜ける音が部屋み響く。朝の残り物を食べながらビールを流し込んだ。 「ぷっはぁ、やっぱり美味しい」  こんな時、お酒は身体を潤し、癒してくれる。特に今日は、いつも以上に疲れているから、なおさら美味しく感じる。左手にはビール、右手には箸。色気がない自分に笑えてくる。  今の私には色気なんていらないか……。そう思いながら、面白くないテレビを見て、無理矢理声を出して笑った。なんて惨めなんだろう。  今日はサイからのミニメも少ない。こんな時だからこそ、いっぱいメールして余計なことを考えないでいたいのに。  鈴那は頭に浮かぶ妄想を大きく首を振って吹き飛ばそうとしたけれど、こびりついたカビのように、しつこく張り付いて剥がれてくれなかった。
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