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「な、何するんですか?」
「ちゃんと俺の目を見ろ」
そう言われても、どんどん近づいてくる桐島の顔に、鈴那は思わずめをとじた。その瞬間、柔らかく温かいものが唇に触れた。そしてそれは、優しく何度も繰り返された。
とても気持ちがよくて、鈴那はゆっくり入ってくる桐島の舌を拒むことができなかった。
もうこのまま、どうなってもいい……。
心臓の鼓動の激しさに、目を開くと見えたのは天井だった。鈴那はすぐに夢を見ていたのだと理解した。なんという夢を見てしまったのだろう。夢なのに何だか唇に感触が残っている気がする。それほどリアルな夢だった。桐島とのキスが気持ちいいだなんて思ってしまったことが、無性に恥ずかしい。
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