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きっと昨日あんなことを聞いたから、こんな夢お見てしまったのだろう。何だかあさからテンションが下がる。考えないようにしようとしても、考えてしまう。
「はぁ……」
鈴那は天井を仰ぎながら、深く思いため息をついた。
月曜日。会社に出社し、給湯室でお茶を入れていると、やはりあの夢のことを思い出してしまった。この空間にいるとずっと考えてしまいそうだから、急いでお茶を淹れデスクへと戻った。
「おはようございます。鈴那さん」
「あっ、おはようございます。愛美さん」
「鈴那さん。今日も一緒にランチどうですか?」
愛美はパソコンを立ち上げながら聞いてきた。
「えっ? いいの?」
鈴那もパソコンを立ち上げ、愛美の方を向いて座った。
「もちろんです。今日は先輩たちも一緒なんで、一人だと心細いんです。鈴那さんがいてくれたら安心できるから一緒に来てください。お願いします」
愛美は周りを気にしながら小声でそう言って両手を合わせた。
「うん。いいけど」
あの先輩たちと一緒というのは、確かに心細いかもしれない。
「私、あんまり先輩たちと仲良くないんですよね……」
「えっ? それなのにランチするの?
仲が良くないのに、一緒にランチをするということが鈴那には信じられなかった。
「ええ、月に一回は必ず。あっちから誘われるんです。社長がみんな仲良くっていってるから。それで」
「そうなんだ……」
なるほど。そういうことか。社長の手前、一応仲良くしているというアピールらしい。
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