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あれから三日が過ぎたのに、桐島を見ると、まだドキドキが止まらない。いったいどうしてしまったというのだろう。
「金曜日のかんげいかい、楽しみですね」
仕事中、愛美は話しかけてきた。
「うん。そうだね」
「いっぱい飲みましょうね」
笑顔の愛美に、鈴那も負けじと笑顔で頷いたけれど、心の中は靄に包まれていた。この感情を鈴那は嫌というほど知っている。そう、嫉妬だ。あの夢を見てから、心が晴れない。正直、愛美が羨ましいとさえ感じていた。
桐島さんのことが好きなの? そう自分に問いかけてみる。しかし、加藤の時とは違う気がした。だから、今のこの生もとがよくわからない。
加藤のことは、この人にためなら死んでもいいとさえ思うくらい激しく好きだった。
きっと身体が寂しいのだろう……。鈴那はそう思うことにした。
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