200人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
この関係が始まったのは、一年ほど前。会社の仲間で飲みに行った帰り、タクシーで二人きりになったことから始まった。
気分が悪いと言った愛美を桐島は家にあげた。桐島も酔っていたから流されるように関係をもってしまった。この時は、愛美からのキスをかわすことはできなかったが、キスをしたのはこの日だけだった。
そして次の日、目が覚めた桐島は、昨夜のことはお互いになかったことにしようと提案しようとしたのだが……。
「桐島さんは、彼女とかいるんですか?」と、愛美から聞かれ、「いや、今はいない。いたら他の女に手を出さないよ」と答えた。
それを聞いた愛美は一瞬顔を歪めたが、「私もそうです」と言って桐島に笑顔を向け、「お互いいないなら……こういうことは別にしてもいいとおもいませんか?」と、突拍子もないことを口にした。
「それ、どういう意味?」
「必要な時に、お互いを……」
愛美はそこで言葉を止めた。女から言うのは下品だと思ったのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!