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「桐生、カバン開けるぞ」
鈴那を背負ったまま鍵を探すのは一苦労だった。
部屋に入りすぐにベッドに寝かせる。疲れた桐島はベッドに腰掛け一息つき、ネクタイを緩めた。
その時、突然ムクッと起きた鈴那は、何を思ったのか桐島に後ろから抱きついていた。
「桐生?」
「……かと……さん」
どうやら元彼と間違えているようだ。
「桐生、俺だ桐島だ」と桐島が言っても、「行かないで……」と鈴那は桐島の肩に顔を埋めている。桐島が鈴那の腕を解こうとすると力が一層強くなり、無理矢理引き離すことはできなかった。
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