109人が本棚に入れています
本棚に追加
こんなことで浮かれてはいけないと思っても、このどうしようもない気持ちは消えてくれず、むしろ日を追うごとに強くなっている気がする。
赤ちゃんが時折お腹を蹴ってくる。何かを訴えているのだろうか……。
「どうした?」
「いえ。何でもないです」
桐島のことを直視できず、鈴那は視線を商品に向けた。
「お腹苦しくないか?」
「大丈夫です。ベビーベッドとかも見ていいですか?」
「あぁ。いいけど。あまり無理するなよ」
「わかりました」
買い物途中に何度か休憩をしているので、お腹はあまり張らず調子がいい。
「これで終わりか?」
「はい。十分です。ありがとうございます」
これで必要なものは、ほとんど揃ったはず。あとはこの子が生まれてくるのを待つだけだ。
最初のコメントを投稿しよう!