終章

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「鈴那?」いつの間にか、桐島が帰宅していた。 「あっ、ごめんなさい。全然気付かなかった」 「お腹は? 調子どう?」 「うーーん、よくわかんない。どうなんだろう? 生まれそうな、まだのような……」  そう言って鈴那が首をかしげると、桐島は笑っていた。この笑顔が愛おしい。ようやく見つけた自分の居場所。  二日後のお昼頃、元気な男の子の赤ちゃんが産声を上げた。その日も雨が降っていた。
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