【暴走Ⅲ その参】

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翔兄がそう言って頭を下げると、同時に志稀も頭を下げた。 おぉ!そっくり。 やっぱり親子だ。 『まぁ。そう言う事だ。皆、可愛がってくれ。よしっ!蘭。乾杯の音頭はお前しろよ。』 えっ? 何言ってんですか? ってか、また全員でこっち見てるし! グラスを渡された。 マジですか……。 仕方ない。 立ち上がりグラスを高く掲げた。 「今年一年、何事もなく無事過ごせたのも皆様のご協力のお陰です。来年も西極組が益々繁栄する事を願います。今年一年ありがとうございました。お疲れ様でした。では、乾杯!」 『『『『 乾杯!! 』』』』 ハァ~。すでに疲れた。 「それでは、私はあっちに行ってます。」 と、伝え行こうとしたら 『お前はここに居ろよ。志稀もこっちに呼べ。』 えー! 竜兄の所に行きたいんですけど。 結局、志稀も呼ばれ二人組長さんの隣に座らされた。 まぁ。色んな人がお酌に来て組長さんはデレデレしながら、私と志稀を自慢していました。 「志稀。さっきは偉かったね。挨拶ちゃんと出来てビックリした。練習したの?」 暇なので志稀に話しかける。 『うん。父ちゃんに少し教えて貰った。』 「そう。上手だったよ。袴姿も似合ってるよ。後で写真撮ろうか。」 あまりにも可愛いから写真に残したい! 『うん!蘭花と撮る。蘭花も綺麗だよ。似合ってる。』 「ん。ありがと。」 志稀と話をして組長さんを見ると… あっ。酔ってきてるか? チャンス! 「志稀。あっち行こうか。」 志稀を連れてその場から脱走。 竜兄と翔兄、蓮兜兄の居る所に避難しました。 瑠璃姉と佑さんは遅れて来るらしい。 「ハァ~。もう。疲れた。やっと逃げられたよ。詩音さんは睨んでたけど。」 『お疲れ。まぁ。ゆっくり呑めよ。』 竜兄がグラスにビールを注いでくれた。 「ん。ありがと。やっと呑める。」 『蘭花。トイレ。』 着物の袖を引っ張ってる志稀。 「えっ?トイレ行きたいの?お父さんに連れて行ってもらう?」 『俺が連れて行くか。』 『うん。竜さんでいい。』 あらっ。珍しい。 竜兄が志稀の手をとり連れて行ってくれた。
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