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翔兄がそう言って頭を下げると、同時に志稀も頭を下げた。
おぉ!そっくり。
やっぱり親子だ。
『まぁ。そう言う事だ。皆、可愛がってくれ。よしっ!蘭。乾杯の音頭はお前しろよ。』
えっ?
何言ってんですか?
ってか、また全員でこっち見てるし!
グラスを渡された。
マジですか……。
仕方ない。
立ち上がりグラスを高く掲げた。
「今年一年、何事もなく無事過ごせたのも皆様のご協力のお陰です。来年も西極組が益々繁栄する事を願います。今年一年ありがとうございました。お疲れ様でした。では、乾杯!」
『『『『 乾杯!! 』』』』
ハァ~。すでに疲れた。
「それでは、私はあっちに行ってます。」
と、伝え行こうとしたら
『お前はここに居ろよ。志稀もこっちに呼べ。』
えー!
竜兄の所に行きたいんですけど。
結局、志稀も呼ばれ二人組長さんの隣に座らされた。
まぁ。色んな人がお酌に来て組長さんはデレデレしながら、私と志稀を自慢していました。
「志稀。さっきは偉かったね。挨拶ちゃんと出来てビックリした。練習したの?」
暇なので志稀に話しかける。
『うん。父ちゃんに少し教えて貰った。』
「そう。上手だったよ。袴姿も似合ってるよ。後で写真撮ろうか。」
あまりにも可愛いから写真に残したい!
『うん!蘭花と撮る。蘭花も綺麗だよ。似合ってる。』
「ん。ありがと。」
志稀と話をして組長さんを見ると…
あっ。酔ってきてるか?
チャンス!
「志稀。あっち行こうか。」
志稀を連れてその場から脱走。
竜兄と翔兄、蓮兜兄の居る所に避難しました。
瑠璃姉と佑さんは遅れて来るらしい。
「ハァ~。もう。疲れた。やっと逃げられたよ。詩音さんは睨んでたけど。」
『お疲れ。まぁ。ゆっくり呑めよ。』
竜兄がグラスにビールを注いでくれた。
「ん。ありがと。やっと呑める。」
『蘭花。トイレ。』
着物の袖を引っ張ってる志稀。
「えっ?トイレ行きたいの?お父さんに連れて行ってもらう?」
『俺が連れて行くか。』
『うん。竜さんでいい。』
あらっ。珍しい。
竜兄が志稀の手をとり連れて行ってくれた。
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