【暴走Ⅲ その参】

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瑠璃姉は呑めないので少し挨拶廻りをしてから帰って行った。 翔兄も志稀を連れて一人一人に挨拶をしに行った。 竜兄と蓮兜兄と三人で呑んでいると、一通り挨拶を済ませたらしい詩音さんが来た。 『蘭花。ちょっといい?』 詩音さんに手招きされ、大広間を出た。 「詩音さん。どうかしました?」 聞くと、いいから。と手を引かれ詩音さんの部屋に連れて行かれた。 何だ? 『はい。ここに座って。』 ドレッサーの前の椅子を出して座る様に言われた。 「何ですか?」 鏡越しに詩音さんを見ると、ニッコリ笑って 『着物。上手に着れてるわね。さすがね。だけど、髪型少し変えるわよ。あれでしょ。急に竜に着る様に言われて、髪のセットしようにも何も無かったんでしょ。』 大当たり! 「です!まさに、そんな感じ。だから、サイド編み込む位しか出来なくて。」 そう言うと、詩音さんは編み込みを手でほときクシで髪をといた。 鏡越しに見ていると、手際良く髪をアップにして綺麗に纏め上げた。 そして、飾りを付けて完成。 こういう事には器用なんだよねぇ。 詩音さんは。 料理は駄目だけど。 なんて思っていたら、今度は化粧道具を出して有無を言う間もなく、あっと言う間にメイク完成。 『はいっ。これでよしっ!やっぱり、せっかく着物着たんだから、ここまで完璧にしなくちゃね。ずっと気になってたのよ。』 「ありがとう。詩音さん。どう?似合う?」 立ち上がり詩音さんの方を向いてニッコリ笑った。 『ちょっと!そのまま!待ってて!』 すると、何処からかカメラを取り出しパシャパシャと撮りだした。 『蘭花。こっち向いてさっきみたいに笑って。』 と、まぁ。 しばらく写真を撮られていた私。 『ほらっ。竜に見せておいで。きっと、竜だけじゃなくて皆固まるから。』
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