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瑠璃姉は呑めないので少し挨拶廻りをしてから帰って行った。
翔兄も志稀を連れて一人一人に挨拶をしに行った。
竜兄と蓮兜兄と三人で呑んでいると、一通り挨拶を済ませたらしい詩音さんが来た。
『蘭花。ちょっといい?』
詩音さんに手招きされ、大広間を出た。
「詩音さん。どうかしました?」
聞くと、いいから。と手を引かれ詩音さんの部屋に連れて行かれた。
何だ?
『はい。ここに座って。』
ドレッサーの前の椅子を出して座る様に言われた。
「何ですか?」
鏡越しに詩音さんを見ると、ニッコリ笑って
『着物。上手に着れてるわね。さすがね。だけど、髪型少し変えるわよ。あれでしょ。急に竜に着る様に言われて、髪のセットしようにも何も無かったんでしょ。』
大当たり!
「です!まさに、そんな感じ。だから、サイド編み込む位しか出来なくて。」
そう言うと、詩音さんは編み込みを手でほときクシで髪をといた。
鏡越しに見ていると、手際良く髪をアップにして綺麗に纏め上げた。
そして、飾りを付けて完成。
こういう事には器用なんだよねぇ。
詩音さんは。
料理は駄目だけど。
なんて思っていたら、今度は化粧道具を出して有無を言う間もなく、あっと言う間にメイク完成。
『はいっ。これでよしっ!やっぱり、せっかく着物着たんだから、ここまで完璧にしなくちゃね。ずっと気になってたのよ。』
「ありがとう。詩音さん。どう?似合う?」
立ち上がり詩音さんの方を向いてニッコリ笑った。
『ちょっと!そのまま!待ってて!』
すると、何処からかカメラを取り出しパシャパシャと撮りだした。
『蘭花。こっち向いてさっきみたいに笑って。』
と、まぁ。
しばらく写真を撮られていた私。
『ほらっ。竜に見せておいで。きっと、竜だけじゃなくて皆固まるから。』
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