【暴走Ⅲ その参】

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詩音さんに言われ部屋を出て、大広間に戻った。 「竜兄。どう?詩音さんがしてくれたの。」 竜兄の前に立ち微笑んだ。 あっ。動きが止まった。 フリーズ? 「もしも~し。聞いてますかぁ。」 あー。完全に固まったね。 『蘭花ちゃん!超綺麗!!何?化粧してもらったの?ウワッ!マジ凄い!』 竜兄より早く驚く声をあげたのは蓮兜兄。 しかも声でかいから! 『……やべぇな。すげぇ綺麗。』 やっと口を開いた竜兄。 蓮兜兄の大声のせいで皆がこっち見てるし!! いやっ!怖いから! しかも、竜兄同様固まってるし。 あっ。さっき詩音さんが何かそれらしい事言ってたな。 とりあえず、笑って誤魔化した。 『ッバカ!こっち来い!!』 突然、竜兄に掴まれ大広間から引っ張り出された私。 その途端。 大広間の中から一斉に雄叫びの様な声が聞こえた。 何だ!! 『お前!アホか!その姿で微笑むな!バカだろ!』 えーと。 怒られてる? 「何で?」 キョトンとする私を見て、竜兄が更に手を引っ張り歩き出した。 そして、竜兄無言のまま連れて来られたのは私の部屋。 手を離し私に向いた竜兄。 『無自覚!』 ……? あー。ねぇ。そう言う事ねぇ。 「ごめんなさい。」 私、偉い。素直に謝ったぞ。 なのに、竜兄はため息をついた。 「…怒ってる?」 項垂れた竜兄の顔を覗き込み聞いた。
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