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詩音さんに言われ部屋を出て、大広間に戻った。
「竜兄。どう?詩音さんがしてくれたの。」
竜兄の前に立ち微笑んだ。
あっ。動きが止まった。
フリーズ?
「もしも~し。聞いてますかぁ。」
あー。完全に固まったね。
『蘭花ちゃん!超綺麗!!何?化粧してもらったの?ウワッ!マジ凄い!』
竜兄より早く驚く声をあげたのは蓮兜兄。
しかも声でかいから!
『……やべぇな。すげぇ綺麗。』
やっと口を開いた竜兄。
蓮兜兄の大声のせいで皆がこっち見てるし!!
いやっ!怖いから!
しかも、竜兄同様固まってるし。
あっ。さっき詩音さんが何かそれらしい事言ってたな。
とりあえず、笑って誤魔化した。
『ッバカ!こっち来い!!』
突然、竜兄に掴まれ大広間から引っ張り出された私。
その途端。
大広間の中から一斉に雄叫びの様な声が聞こえた。
何だ!!
『お前!アホか!その姿で微笑むな!バカだろ!』
えーと。
怒られてる?
「何で?」
キョトンとする私を見て、竜兄が更に手を引っ張り歩き出した。
そして、竜兄無言のまま連れて来られたのは私の部屋。
手を離し私に向いた竜兄。
『無自覚!』
……?
あー。ねぇ。そう言う事ねぇ。
「ごめんなさい。」
私、偉い。素直に謝ったぞ。
なのに、竜兄はため息をついた。
「…怒ってる?」
項垂れた竜兄の顔を覗き込み聞いた。
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