【暴走Ⅲ その参】

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大広間には、戻らない方がいいと竜兄に言われリビングで待つことに。 ソファーに座り、ふと思い出す。 「あっ。志稀、まだ起きてるかな?」 紗江先輩と來希に会わせたい。 『どうだろうな。さっきは、かろうじて起きてたけどな。何すんだ?』 「紗江先輩と來希に志稀を紹介しとこうかと思って。せっかくだし。」 『そうだな。じゃあ、俺が見てきてやるよ。どうせ、出かける事も言っとかなきゃいけねぇだろ?』 そうだね。 「ん。お願いします。」 竜兄は大広間に行った。 ソファーで寛いでいると、組員さんが御客です。と呼びに来た。 玄関へ向かう。 「こんばんは。紗江先輩、來希。」 二人に声をかける。 『あっ。蘭花ちゃん……』 『こんばんは。蘭ちゃ……』 二人共こっちを見て、固まった。 しばらく沈黙。 と、突然。 『キャー!!何?蘭花ちゃん超綺麗!』 『蘭ちゃん!綺麗!綺麗過ぎるから!!』 二人共、大興奮。 「竜兄が揃えてくれて。着物。久しぶりにきましたよ。」 そう言って、ニッコリ笑った。 『蘭ちゃ~ん!』『蘭花ちゃ~ん!』 両手を広げて抱きつこうとした二人だが、着物が崩れそう。と、動きを直前で止めた。
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