【暴走Ⅲ その参】

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「今、竜兄が大広間に行ってるので少し待って下さいね。とりあえず、あがって下さい。」 二人を連れてリビングへ戻った。 二人に温かいココアを入れて、ソファーに座った。 『それにしても、本当に綺麗だよね。お母さん見たら絶対、写真撮らせろって言うわ。って、言うか後で写真撮らせてね。』 あんたが言ってますよ。紗江先輩。 『本当に綺麗過ぎてビックリした。よく竜さんに襲われなかったね。』 あー。何とかね。 「いや。さっき、怒られましたよ。無自覚だって。」 『『だろうね!』』 「最近、お二人共息ピッタリですね。」 思った事を言ったのに、二人で否定してた。 『蘭花。志稀。眠そうだから寝かせてくれってよ。』 竜兄が志稀をおんぶしてリビングへ来た。 「あー。眠そうだね。志稀~。おいで。」 竜兄の背中で眠そうに目を擦っている志稀。 声をかけると、両手をこちらに差しのべた。 志稀を抱き上げ、ソファーに座らした。 その様子を見ていた二人。 『…蘭花ちゃん?』 『えっ?竜さんの子供?』 志稀をじっと見ている。 『何で俺の子供だよ。アホか。』 竜兄が來希の頭を叩いた。 『竜さんの隠し子とか!』 さらに叩かれた。 「紗江先輩。來希。紹介しとくね。この子。翔兄の子で、志稀って言うの。色々あって、ウチで引き取る事になって。志稀~。挨拶出来る?」 二人に紹介して志稀を見ると なんとか頷いて 『…西極 志稀…です。よろしく…お願い…いたします。』 挨拶をした。
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