614人が本棚に入れています
本棚に追加
『竜。お前、あんまり無理すんなよ。蘭花が心配して泣きそうだったぞ。』
何言ってんだ!
『そうなのか?蘭花。』
にやけて顔を除き込む竜兄。
「…泣いてませんけど。」
ビールを呑みながら、そっぽを向く私。
『嘘つけ。さっき、泣きそうな顔して私が竜兄の重荷になってないかな。って、言ったじゃねぇか。』
キィー!こいつ!
蓮兜兄が居なくて、少し可哀想だと思った私が間違ってました!
「アホか!余計な事言うな!馬鹿兄貴!」
『お前!馬鹿とかアホとか、そんな事しか言えねぇのか!あぁ?!』
何だよ!!元気じゃねぇかよ!!
『お前らさ、さっきまで仲良くしてたのに訳わかんねぇな。二人共、煩ぇよ。』
竜兄の冷めた言葉に意気消沈。
『ああー!もう!』
止められイライラの翔兄がタバコを取り出しくわえ火を着けた。
「あれっ?翔兄。タバコ吸ってた?」
あんまり見た事ないような…。
『あっ?あぁ。蓮兜が居たら吸わねぇ。』
あー。そうなんだ。
あっ。そうか。組員さんと居る時は吸ってるの見た事ある。
「何で?」
『あいつが嫌がるからな。身体に悪いから辞めろって。自分も昔は吸ってたのにな。いつの間にか辞めてたな。あいつは。』
『俺も辞めたぞ。こっちに帰って来てから。あっちでは、吸ってたけどな。』
「竜兄。タバコ吸ってたんだ。知らなかった。で?何で辞めたの?」
『蘭花が居るから。やっぱりな。少しでも蘭花と長生きしたいとか思ってな。身体資本だろ?だから。』
「まぁ。そうですね。翔兄も辞めたらいいのに。蓮兜兄も翔兄の身体、心配してんじゃないの?」
うん。きっと、そうだ。
『だろうな。でも、なかなか辞められねぇ。極道の若頭してっとな。そんなんも必要だったりするんだよ。真面目な極道なんていねぇだろ。まぁ。俺の場合は、蓮兜が居ねぇとイライラして吸うけどな。』
あぁ。そう言う事ね。
最初のコメントを投稿しよう!