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温泉旅行は今夜出発するらしい。
話が纏まったところで、正月の定番。
おせち料理が、出てきた。
作ったのは組の幹部。矢部さん。
若い頃から父さんに就いていた矢部さんは、料理が凄く上手らしい。
正月にはおせち料理だろ!と、父さんが昔から言っていたらしく、若手の組員を使って、おせち料理を完璧に作るみたいだ。
「うわっ!凄いね!これ、矢部さんが作ったんでしょ?今度、教えてもらおう。しかも、旨いし!」
飾り付けも豪勢だが、味もバッチリ!
『ありがとうございます。蘭花お嬢。今度、レシピをお教えいたしますので。それより組長。三時から正月の挨拶を傘下の組を始め系列組の方々がいらっしゃいますので。ヨロシクお願い致します。』
『分かった。矢部。お前も食ってけ。』
『いえ。自分は組員達と一緒しますので。失礼します。』
矢部さんは、おせち料理の準備だけして出て行った。
「矢部さん。真面目だよね。よく、父さんに就いてきたわね。」
『まぁな。昔から一緒だからな。あいつもあぁ見えてボンボンだったんだぞ。家を捨ててまで俺に就いてきたんだよ。あいつも色々あったからな。でも、まぁ。いい奴だ。』
へぇ~。矢部さんの事とか全然知らない。
今度、聞いてみよ。
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