【暴走Ⅲ その参】

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『蓮兜。仕事どうすんだ?志稀が居たら続けられねぇだろ。』 あー。そうだよね。どうすんだ? 『それなら大丈夫。仕事は辞めないよ。志稀は近くの保育園に預ける。』 えー!可哀想じゃん! 「えっ?志稀、保育園に出すの?」 『うん。翔にも言ってある。翔は始め反対したんだけどね。可哀想だとか言って。だけどさ、やっぱり同い年の子供達と遊ぶのって大切だからね。嫌な思いもするかもしれないけど、色んな経験して大きくなって欲しいし。強くなってもらいたいからね。』 なるほどねぇ。 「蓮兜兄も色々考えてるんだね。」 『まぁね。ただ一緒に居るだけなら誰でも出来るけど、志稀の将来をしっかり考えてやれるのは翔とおれだけだからね。親としてね。』 『蓮兜。すげぇな。関心するよ。』 うん。私も。 「志稀~。何の絵描いてるの?見せて。」 志稀の絵を覗き込む。 おっ。上手だ。 「上手だね。志稀。これは志稀でしょ?これとこれは誰?」 真ん中に志稀が居て、両サイドに大人が二人立っている絵。 志稀が凄く笑顔の絵。 『これはね。父ちゃん。で、こっちは蓮兜君。こっちとこっちのは、蘭花と竜さん。』 ちっちゃ! 私と竜兄は遠くに二人並んでる。 「志稀。私と竜兄は小さいけど?」 『だって、僕の親は父ちゃんと蓮兜君だもん。だから、僕の隣。蘭花は竜さんと一緒に手繋いでるんだよ。』 あー。本当だ。ちゃんと手繋いでる。 「本当だね。ありがと。」 良かった。 志稀がちゃんと蓮兜兄の事も親として認めてる。 最初はどうなるかと思ったが、志稀の本音が聞けて良かった。
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