【暴走Ⅲ その参】

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夕方になり温泉旅行の準備をしていた。 何処に行くのか聞いたら、九州まで行くと行っていた。 父さんの知り合いが温泉宿を経営しているらしく、そこに行くらしい。 でも、正月なのによく部屋が取れたなと思う。 翔兄曰く、そっちの筋の知り合いだろうからどうにでもなるんじゃねぇか?って、そんなもんか? 『お前らどうすんだ?ウチに居るのか?』 翔兄に聞かれた。 「ん~。どうしよう。どうする?竜兄。」 『そうだな。まぁ。のんびりしてから考えるか。』 「とりあえず、今日はウチに居るかな。」 『おれ、今日は家に帰るね。あっちの親戚とか来るから。顔出しとく。』 蓮兜兄は家に帰るらしい。 『あぁ。そうだったな。じゃあ、三人で呑むか?』 一人が嫌なんだろ。翔兄。 『俺は別に構わねぇぞ。』 竜兄がいいなら別にいいけど。 「私も別にいいよ。あっ。來希も呼ぶ?」 確か來希は身内が居ないはずだから。 バイトも元日は休みみたいだし。 『そうだな。じぃさんも忙しいだろうから、來希一人かもな。後で連絡しとく。』 ソファーで四人、そんな話をしていると父さんが来た。 『何だ?お前ら。若けぇのに出掛けねぇのか?』 「正月は家でのんびりするもんでしょ。父さん達の方がおかしいよ。まぁ。ゆっくり温泉に入ってきてよ。志稀、ちゃんと見ててよ。迷子とか絶対無いようにね。」 『んな事は分かってる。大丈夫だ。翔。組員達は一応休暇やってるからな。それぞれ好きにさせとけ。小遣いもやってある。何かあった時はお前が対処しろよ。頼んだぞ。』 何だかんだで、組の事は気になるんだよね。
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