【暴走Ⅲ その参】

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詩音さんが志稀を連れて来た。 『あなた。準備出来た?私と志稀はバッチリよ。あっ。そうそう。蘭花と蓮兜はウチに居るなら、ご飯は作ってね。組員達は休みだから。』 あー。そうだね。 「うん。大丈夫。適当に作る。それより、詩音さんもちゃんと志稀見ててよね。はぐれたりしないでよ。」 とにかく、志稀が心配。 『大丈夫よー。そんな心配しなくても。ねぇ。志稀。』 『うん!ちゃんと、龍華さんと詩音さんに着いてく!』 「志稀。手を離したら駄目よ。分かった?」 『蘭花。心配し過ぎたろ。大人が四人も付いてるんだ。大丈夫だろ。』 まぁ。そうだけど。 『蘭花ちゃん。可愛い子には旅をさせよって言うじゃん。ねっ。』 蓮兜兄に言われたら何も言えない。 『何だかんだ言ってお前が一番、志稀に過保護なんじゃねぇか?』 あー。嫌みの帝王だ。 「……煩い。じゃあ、志稀。気を付けてね。」 そうして、玄関まで見送った。 竜兄の両親が、あのリムジンで登場。 高速道路で行くらしい。 新幹線とかの方が良くないか? まぁ。いいけど。 で、家に残された四人。 「ご飯。何食べる?おせちの余りもあるけど。」 『あるもんでいいだろ。わざわざ作らなくて。』 竜兄が答える。 『俺。呑むから摘まめるもんなら何でもいいぞ。』 翔兄も答える。 『おれは、そろそろ帰るね。』 そうだった。蓮兜兄は帰って行った。
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