【暴走Ⅲ その壱 】

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「ところでさ。翔兄と蓮兜兄って、いつから付き合ってるの?ずっと一緒だったから、全然分からなかったけど。」 『あー。確か蘭花が総取締役になった位からだったと思うぞ。』 最近かよ! 『一年半位前だな。』 竜兄がボソッと言う。 「それまでは、普通に幼馴染みだった訳でしょ?」 だよな。 『あぁ。そうだな。それまでも一緒だったけど、お互いそれまでは女と遊びまくってたしな。』 あー。そんな感じだな。 『男だしな。そんな時期はあるよな。』 うんうんと頷く竜兄。 「…何、納得してんだか。で?それが何で付き合う事になった訳?」 何故か気になる。 『お前。』 はい? 顎で私を指す翔兄。 「……何で私?」 何もしてねぇ~。 『お前がやっと昔みたいに戻っただろ?その時に、あいつもやたらとお前を可愛い可愛いって言うからよ。お前の事、本気で好きになったんじゃねぇかと思ってな。』 はっ? 『で、蘭花に対してヤキモチを妬いたと。そこで、自分の気持ちに気付いたってやつか?』 竜兄が翔兄の言おうとした事を言ったらしい。 『まぁ。そんなとこだな。始めはな。やっぱり、戸惑ったけどな。好きな気持ちは止められねぇし。ダメもとで、口説いてみた。そしたら、あいつは俺よりだいぶ前から同じ気持ちでいたらしい。お互い、それまでは女に不自由しなかったしな。そんな事思わなかったんだけどな。蘭花の存在で気付くとか。何なんだろうな。だけど、今はあいつは俺のせいで悩んでるんだろうな。悩ませる位なら、幼馴染みのままが良かったのかもな。』
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