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片付けながら竜兄を見ると、何だか不貞腐れた様子。
「何?何でそんな面白くなさそうな顔してんの?」
『あっ?別に。何でもねぇよ。』
「何でもないって顔じゃありませんけど?」
リビングのソファーへ移り座った竜兄。
『……ムカつく。』
はい?
「はっ?何が?私。何かした?」
何もした覚えはありませんが。
竜兄の方へ向かう。
『お前が他の男の料理、誉めると何だかムカつく。』
ほよっ?ヤキモチ?
プッ。可愛い。
「竜く~ん。何?ヤキモチやいてんの?」
にやけながら竜兄の横にピッタリくっついて座る私。
『…別に。そんなんじゃねぇけど。何かな。夕べ、矢部さん。自分は蘭花お嬢みたいな人が理想です。とか言い出してよ。俺は蘭花は誰にも渡さねぇって何度も言うのに、人生何があるかわかりませんから。とか言うし。來希もそれに賛同しちまって。翔は笑ってるしな。』
ソファーの背凭れに背中を預け上を見上げる竜兄。
そんな話してたのか。
なるほどねぇ。
不安になったのか?
座る竜兄の膝を股がり竜兄の方を向いて座った。
両手で竜兄の髪をすき頭を抑えキスをして言った。
「大丈夫。私の人生、何があっても竜兄と離れる事は絶対に無いから。」
そう言って今度は舌を絡ませキスをする。
竜兄は、私の腰に両手を回しグッと抱きしめキスを返してくる。
『蘭花がそう言ってくれると安心する。』
「ん。大好きだよ。竜。」
そして、また深く深くキスをする。
『おはよう……って、何いちゃついてるの!ちょっと!何かすげぇ複雑な気分!』
ゲッ!來希!
『おぉ。來希、もう昼過ぎだぞ。』
慌てて竜兄から離れようとする私を離さないどころか普通に來希に話しかける竜兄。
「っちょ。竜兄!」
身体を押し離そうとグッと押す私の頭をガッと片手で引き寄せ、更にキスをしてくる。
「…ッン…たつにぃ…だめ…ッン。」
なかなか離してくれない。
キャー!恥ずかしいから!
やっと手を緩めた竜兄から素早く離れた。
「ちょっと!竜兄!何考えてんの!」
恥ずかしすぎて死にそう!
『…竜さん。わざとでしょ。夕べ、矢部さんと俺が蘭ちゃん諦めないとか言ったから。』
『だな。今見ての通り。蘭花は俺んだから。諦めろ。』
『そんなの見せつけなくても、蘭ちゃんの声、聞いた時点でもう凹んでますから。俺。』
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