【暴走Ⅲ その参】

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「やっと部屋が暖かくなってきた。」 コートを脱ぐ私。 『蘭花ちゃん。寒がり?』 紗江先輩に聞かれ答える。 『あんまり寒い時に外に出ないので寒さには弱いですね。』 『特攻服でバイクには平気で乗るのにな。寒くても。』 あはっ。そうだね。 「バイクの風はね。気持ちいいからねぇ。寒さを感じないよね。ねぇ。來希。」 來希に話を振る私。 『そうだねぇ。特攻服だと何か気持ち的に違うよね。風も気持ち良く感じるよね。確かに。』 ほらっ。 『えっ?蘭花ちゃん、バイクの免許持ってるの?私。聞いてない!』 そうだっけ? 『紗江ちゃん知らなかったのか?蘭花、竜と色々あった時に勝手に学校休んで免許取りに行ったんだよ。俺の愛車も取られたしな。』 翔兄。私にやったじゃん! 『本当は学校の校則じゃ違反だけどねぇ。』 はい。ごめんなさい。蓮兜兄。 「…ですね。まぁ。いいじゃない。現生徒会長の柳希さんも乗ってるし。次期生徒会長が乗っても。龍咲さんも何も言えないよね。」 『お前らの学校もすげぇ奴らを生徒会にしてんのな。ある意味、最強だな。』 竜兄。失礼な! 『蘭花ちゃんも柳希君も狡い。何か私だけ除け者みたいじゃない。』 拗ねてるのか?紗江先輩。 「紗江先輩。別に隠してた訳じゃないですよ。今度、私の後ろに乗ります?凄く気持ちいいですよ。ねっ?」 ニコッと笑いかける。 『うん!絶対乗せてねっ!蘭花ちゃんの背中にギュ~ってくっついとくから。』 苦しくない程度でお願いします。 『早坂さんってさ。あっちの人?』 來希が紗江先輩に言う。 「あっち?どっち?」 何だ?こっち? 『お前、相変わらずアホだな。女が好きなのかって事だろ。』 あー。そっちね。って、翔兄。アホって言うな!
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