【暴走Ⅲ その参】

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『お互い、蘭花ちゃんの大ファンだからですよ。蘭花ちゃんの事に関しては二人とも譲れないっていうか。柳希君が知ってて私が知らないとか悔しいし。だから、竜さんが凄く羨ましいです。色んな蘭花ちゃんを知ってるでしょ。いいなぁ~って思いますもん。ねぇ。柳希君。』 『そうだね。思うよね。羨ましい。』 やけに素直な來希。 『だろ?皆の憧れ蘭花ちゃんは俺のものです。』 私を抱き寄せ頬にチュッとキスをする竜兄。 「…恥ずかしいからやめて下さい。」 『キャー!私もしたい~!頬っぺチュー!』 紗江先輩。可愛いですよ。 「だけど、そんな言うなら紗江先輩だって來希だってそうでしょ?紗江先輩は読者モデルNo.1だし、來希もバイト先でNo.1だし。皆の憧れなのは変わりないじゃないですか。」 『えっ?柳希君のバイトって何してんの?No.1とか。』 あっ!しまった!紗江先輩は知らないんだった。 『ちょっと!蘭ちゃん!言わないでよ!』 怒られました。 『何よ!気になる!教えてよ!』 皆、苦笑い。 「紗江先輩に言っても問題ないでしょ?大丈夫だと思うけどね。」 『ほらっ。蘭花ちゃんも言ってるし。教えてよ。柳希君。』 來希に詰め寄る紗江先輩。 『あー!もう!分かったから。』 あっ。紗江先輩嬉しそう。 仔犬みたい。シッポふりふりしてる。 『ホスト。』 仏頂面で答える來希。 『…はっ?』 固まる紗江先輩。 『だから、ホスト。理事長の紹介だから、問題ないからね。だけど、絶対に誰にも言わないでよ。』 まだ固まってる紗江先輩。 「紗江先輩。來希は両親が居なくて、理事長の好意でホストのバイト許してもらってるんです。それで、生活してるので。」 捕捉説明する私。 『ホスト。へぇ~。ホストかぁ。って!えぇーー!柳希君!ホストしてんの?!しかも、No.1?!マジで?!』 動き出した紗江先輩は一人でバタバタしています。 『早坂さん。煩いから。そんなに驚いた?』 『驚くわよ!だって、生徒会長よ?学年首席よ?それで、ホストNo.1よ?柳希君。何者?!』 『何者って。別に普通の高校生。』 いや?違うだろ。 『普通じゃないでしょ。あー。でも、そのルックスだと納得。ホストもだけど、No.1も納得。私って、凄い人達に囲まれてたんだ。』
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