【暴走Ⅲ その参】

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「何言ってるんですか。紗江先輩だって、人気モデルですよ。」 『私なんてしれたもんよ。お母さんの事務所にいるだけだし。自分の力でって訳でもないしね。』 「紗江先輩って、案外自分の事分かってませんよね。そんな、親の力で人気モデルになれる訳ないじゃないですか。実力が無いと無理ですよ。それに凄く可愛いの分かってますか?」 紗江先輩こそ無自覚なんじゃないのか? 『蘭花の言う通り、紗江ちゃんは可愛いぞ。実力だろうな。人気モデルなのも。』 翔兄も言う。 『紗江ちゃん、学校でも人気者だよ。保健室に来る生徒からもよく聞くよ。三年の早坂さん可愛いって。來希と蘭花ちゃんの話も聞くけど、紗江ちゃんの話もよく出るし。男の子だけじゃなくて女の子からも。』 ほらっ。 「ねっ?紗江先輩こそ人気者なんですよ。だって、紗綾さんが我が子だからって理由だけでモデルさせる訳ないじゃないですか。あの紗綾さんですよ。仕事には厳しい人ですからね。」 『そうなのかな?あんまり、自分の事って考えた事無いな。ただ言われるままに仕事してるだけだし。だけど、蘭花ちゃんにそう言われると自信もてるな。』 「そうですよ。私、紗江先輩の明ると可愛さ。それに笑顔が凄く好きですよ。」 『蘭花ちゃ~ん!やっぱり好き~!』 勢いよく飛び付いてきた紗江先輩。 「…紗江先輩。苦しいです…。」
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