【暴走Ⅲ その参】

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「そんな訳にはいかないでしょ。來希と紗江先輩を一緒の部屋には出来ないよ。ねぇ。蓮兜兄。」 蓮兜兄にジャッジしてもらおう。 一番まともだから。 『そうだねぇ。まぁ。本人達次第じゃない?それも有りかもよ。ほらっ。外見て。』 蓮兜兄に言われ、外を見てみた。 あっ。あの二人。 『おっ?何かいい感じじゃねぇか。』 翔兄も外を見て言った。 「本当にね。何かいい感じになってるし。來希も意識してるのかな?さんざん、紗江先輩を推したからね。」 『あいつも改めて思ったんじゃねぇか?蘭花の事も紗江ちゃんに言われて納得してたしな。』 四人で窓の外を見る。 結構降ってる雪の中、馬鹿みたいに二人ではしゃいでる。 少し積もってきた雪を小さく丸めて投げてる紗江先輩。 來希が反撃してる。 あっ。紗江先輩。逃げた。 あっ。こけた。 おっ?來希が紗江先輩に駆け寄った。 あっ。こけた。 何やってんだ、あの二人。 二人で大爆笑してるし。 でも、何か本当にいい感じだ。 『仲良いな。あの二人。』 竜兄が微笑んだ。 「だね。楽しそうだね。」 『いんじゃねぇか?あの二人。一緒の部屋にしてみても。』 翔兄が言う。 『そうだね。お互い素直じゃないから、いい機会かもよ。』 蓮兜兄も言う。 「じゃあ。そうしてみようか。」 全員一致で賛成って事で、部屋割り完了。 後であの二人には伝えよう。 それまでは、二人の時間を満喫して下さい。 紗江先輩。來希。
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