【暴走Ⅲ その参】

90/99
前へ
/334ページ
次へ
紗江先輩と來希が遊んでいる間に夕食を竜兄と蓮兜兄と用意した。 翔兄は布団と着替えを頼んでいたので受け取り一緒に部屋に運んでもらっていた。 「やっぱり、こんな寒い日は鍋だよね!」 『だな。大勢で食べたら旨いしな。』 竜兄と二人で話していたら 『ちょっと。二人とも、まだ終わってないからね。竜はあっちに運んで。蘭花ちゃんは、ガスコンロ出してね。』 蓮兜兄に怒られました。 『「 はい。 」』 全て終わり、鍋もいい感じになってきた。 「あの二人。まだ遊んでるの?もう、真っ暗だけど。」 窓の外を見ると完全に夜。 『適当に帰ってくるだろ。凍死するまでは遊ばねぇだろうしな。そこまで馬鹿じゃねぇだろうし。』 まぁ。竜兄の言う通りだけど。 『先に食うか?煮詰まるだろ。』 翔兄。お腹すいたんだね。 『そうだね。じゃあ。ビール取ってくる。』 蓮兜兄が立ったので、私が行くと座らせた。 「はい。じゃあ。食べよう。」 ビールで乾杯をする四人。 鍋も凄く美味しい。 しばらく食べて呑んでとするが、まだ帰って来ない二人。 心配になり、とりあえず窓の外を見てみる。 「あれ?居ないよ。何処いったのかな?マジで凍死とかしてないよね!」 竜兄も私の隣に来て、外を見る。 『おー。けっこう積もったな。外、暗くて見えねぇな。』 「あっ!帰ってきた!って、手繋いでない?」 うっすらと月明かりで見える二人の姿。 よく見てみると、手を繋いでいる様な。 私の言葉に翔兄も蓮兜兄も来た。 『おっ?繋いでるな。』 『何があったのかね。気になるよねぇ。』 翔兄と蓮兜兄はにやけながら言った。 『とりあえず、知らないふりしとけよ。よしっ。座れ。』 これまた、にやけて竜兄が言う。 で、皆何くわぬ顔でまた座って鍋を食べビールを呑む。 どんだけ意地悪だよ。この人達は。 まぁ。私もだけどね。
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

614人が本棚に入れています
本棚に追加