【暴走Ⅲ その参】

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それからは、皆で呑んで盛り上がった。 紗江先輩と來希は相変わらずの様子でちょっとしたことで言い合いをしたりしてたけど、それでも仲良くくっついていた。 海を散歩しながらゆっくり話をしたらしい。 お互い素直に自分の気持ちを言い合ったら意識したみたい。 でも、良かった。 二人が凄く幸せそうで。 呑みすぎと遊び過ぎで、紗江先輩がダウンした。 『すいません。部屋に寝かせてきます。俺もこのまま寝ますね。』 來希が紗江先輩を抱えながら言った。 「ん。おやすみ。紗江先輩をよろしくね。來希。」 手をふり見送る私。 『蘭花。風呂入るか?』 「そうだね。お風呂入らなきゃね。」 竜兄に言われ振り向く。 『翔、蓮兜。先に風呂入るな。』 二人でお風呂にゆっくり浸かりながのんびり。 『前に来た時は2年前だったな。』 「そうだったね。あの時は朝から起こされて、いきなり海に連れて来られたんだっけ。あの面子が海ではしゃいでたよね。花火も打ち上げたし。楽しかったよね。」 思い出し笑みが溢れる。 『そうだったな。大の大人が皆してはしゃいでたな。良い思い出だよな。』 竜兄も笑った。 「ん。本当に。今日もきっと良い思い出になるね。紗江先輩も來希にも。ねっ。」 『これからも沢山思い出作ろうな。俺と蘭花の思い出。』 そう言って後ろから抱き締められた。 「ん。そうだね。竜兄。大好きだよ。」 顔を竜兄に向け口づける。 『俺も。愛してる。蘭花。』 甘く低い声が耳元で囁く。 『可愛いな。蘭花。』 広いお風呂の中、愛を囁く竜兄。
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