【暴走Ⅲ その参】

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お風呂から上がり、二人でまたソファーに座る。 蓮兜兄が冷えたビールを持ってきてくれた。 「んー!やっぱり、お風呂あがりのビールは美味しい!」 ビールをグビグビ呑む私。 『お前の場合。喉が乾いてビールが旨いんじゃねぇか?』 はっ?何、言ってんだ?翔兄。 「何言ってんの?」 『蘭花ちゃんの声、響いてたよ。』 蓮兜兄が笑いながら言った。 えっ?はっ?マジ? 「…えっ?だって、ここ防音設備されてんでしょ?」 さっき言ってたじゃん! 『部屋はな。風呂までするわけねぇだろ。バカか。』 『丸聞こえだったよ。竜も激しいねぇ。』 おいおい。にやけないで下さい。蓮兜兄。 『当たり前だろ。こんな色っぽい奴が裸で居るんだぞ。そりゃ、するだろ。』 何で普通に答えてるのかな。竜君。 『紗江ちゃん達居なくて良かったな。蘭花。』 本当にね。翔兄の言う通り。 「…ですね。これからは、ちょっと考えます。」 少し凹む私。 『まぁ。いいんじゃない?別にやましい事してる訳じゃないしさ。ねぇ。』 蓮兜兄。フォローありがとう。 『部屋は大丈夫だぞ。気にすんな。俺らも人の事言えねぇしな。』 あー。そうですか。翔兄。 『今日はもうしねぇ。蘭花。凹んでるし。』 そんな宣言するか?竜兄。 「…別に凹んで無いけど。」 嘘だけど。 『可愛いねぇ。俺の蘭花ちゃん。』 頭を撫でる竜兄。 『いいねぇ。仲良くて。俺の翔君はそんな事言ってくれないけどねぇ。』 蓮兜兄が翔兄を見る。 『んな、人前でイチャイチャ出来るかよ。愛し合った時でじゅうぶんだろ。』 照れくさそうな翔兄。 『まぁね。このギャップが好きなんだけどね。』 何だかんだで仲が良い二人。
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