【暴走Ⅲ その四】

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『俺は蘭花が居た方がいい。どうせ、あいつらもお前を見たくて来るんだろうし。観光なんて口実だろ。』 竜兄も手を洗い、食事の支度を手伝ってくれる。 「私見に来ても仕方ないのにね。竜兄の友達変わってるね。」 『まぁ。きっと、あれだろ。俺がどんな女にもなびかなかったのに、蘭花にはベタ惚れだったからな。あいつら、それ知ってるから。お前を虜にする女が見てみたいって、ずっと言ってたしな。最近じゃあ、上手くいってるのも報告したりしてるしな。』 「へぇ~。そうなんだ。私見てがっかりするかもよ。こんな女に竜は虜にされたのかって。」 『それは無いな。俺が惚れた女だぞ。逆にあいつらがお前に惚れないか心配な位だ。』 「何言ってんの。それは無い無い。」 笑いながら言う私。 『どうだろうな。まっ、とにかく明日は空港まで迎えに行ってくるから。蘭花はゆっくりしとけよ。空港で騒がれても嫌だしな。うるせぇから。あいつら。』 そんなに? 「ん。分かった。待ってる。」 話をしながら二人で手を動かしていたから、あっと言う間に準備完了。 『後、煮込むだけか?』 「うん。圧力鍋でするからお風呂上がったら出来てると思うよ。一緒に入るでしょ?」 竜兄を見てニッと笑った。 『誘ってんのか?』 フッと笑う竜兄。 「どうだろうね。まっ。とりあえずお風呂入ろうか。」 それから、二人でお風呂に入った。
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