【暴走Ⅲ その四】

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『今日は誰にも聞かれねぇぞ。』 湯船の中、後ろから抱き締めてくる竜兄。 「あー。嫌な事思い出した。昨日は凹んだ。聞こえないと思ってたから何も考えてなかったのにさ。まさか、丸聞こえだったとか。かなり凹むよねぇ。」 結局、夕べは私が凹んでたから竜兄は抱きついて寝ただけだった。 『まぁな。男はどうって事ないけどな。けど、夕べは俺すげぇ我慢したんだからな。』 だろうね。 キスもしてこなかったしね。 キスしたら抑えが聞かないとか言って。 「だってさ。あんな事言われたらねぇ。気になるでしょ。普通。」 『じゃあ、今日は気にならないな。今、する?』 やる気満々ですか!? 「やめとく。お風呂は夕べを思い出すから。」 『そうか。じゃあ、後でな。』 そう言って軽くキスをする竜兄。 この優しさも好き。 二人でお風呂を出て、とりあえずビール! 「もう、そろそろ出来たかな?」 『おっ?いい感じじゃねぇか?』 今日は本格的クリームシチュー。 夕食の準備バッチリ。 「じゃ、食べようか。いただきます。」 『いただきます。』 一口食べ、二人で顔を見合わせる。 『「 旨い!」』 ニッと二人で笑って食べた。 「竜兄。野菜食べなよ。残ってる。」 サラダを残してる竜兄。 『分かってるよ。ちゃんと食うから。』 サラダを食べてビールを呑む竜兄。 「ビールで流し込んでるでしょ。噛まなきゃダメだよ!ほらっ。』 ビールを取り上げサラダを口に入れる私。 『ちゃんと食べるから。無理やり入れんなよ。』 フォークを取られた。 「始めから食べればいいのに。全く。」 サラダを食べる竜兄を見ながらビールを呑む。 『はい。全部食べたぞ。』 よしよし。 「よしっ。片付けて、ゆっくり呑もう。」 二人でさっさと片付けた。 ソファーで寛ぐ。 「竜兄の友達ってさ。日本語喋れるの?」 『いや。全然、喋れねぇな。』 「そっか。じゃあ、友達が居る間はずっと英語だね。」 『そうなるな。嫌か?』 「嫌じゃないよ。だって、また竜兄の英語で話す格好いい姿見れるし。楽しみだね。」
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