【暴走Ⅲ その四】

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どの位経ったのか3冊目の本に手をかけた時に携帯が鳴った。 あっ。竜兄。 「もしもし。竜兄?」 《蘭花。何してた?》 「ん?暇だから本読んでた。竜兄は?友達に会えた?」 《あぁ。今、ホテルに荷物置きに来てる。ロビーで待ってるとこだ。》 「そう。あっ。お昼どうするの?食べて来る?」 《いや。こっから、真っ直ぐ帰る。昼飯は寿司でも取っててくれ。頼むな。》 「ん。分かった。じゃ、気を付けて帰って来てね。」 電話をきり、近くのお寿司屋さんへ電話する。 外人さんって、ワサビだめだよな。 沢山食べるかな? とりあえず、ワサビ抜きの盛りとワサビ入りの盛りを頼んだ。 足りるかな? あっ。お吸い物は作ろう。 本を竜兄の部屋へ戻し、キッチンへ向かう。 お吸い物を作りお寿司を待つ。 しばらくするとお寿司屋さんが来たので受け取りテーブルに置いた。 あー。また暇になった。 もう帰って来るかな? ソファーに座りボォ~としていたら、外からのポカポカ陽気にうとうとしてしまう。 少しだけ。 ソファーに横になり目を閉じた。 インターホンの音に目が覚め、目を擦りながら鍵を開けた。 ドアの開く音と共に立って居るのは、やっぱり竜兄。
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