【暴走Ⅲ その四】

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『ちょっと待っとけ。』 竜兄は立ち上がり自分の部屋に行った。 そして、一冊の雑誌を持ってきた。 『ほらっ。これ。見てみろよ。』 何だ? 竜兄から雑誌を受け取り表紙を見る。 「世界のいい男特集?」 何だこれ。 と、思いながら中を見る。 パラパラと捲って行くと あっ。竜兄。 前、言ってた雑誌ってこれか。 記事を読む。 《輝条グループ御曹司 輝条 竜》 何々? 輝条グループの御曹司である輝条竜。 だが、彼は親の力で今の会社を築いた訳ではない。 中学の頃から学校に通いながらバイトをしていた。 高校、大学と飛び級で進学し、バイトで資金を貯めた。 親にはきちんと生活費を渡し、会社の手伝いをしながら経営学を学んだ。 一時期荒れた時期もあったにも関わらず、彼をここまで駆り立てたのは何なのか。謎である。 へぇ~。凄いねぇ。竜兄。 「凄いね。竜兄。写真も格好いいし。」 雑誌を読んで竜兄を見た。 『そこじゃねぇよ。俺のはどうでもいいから。捲ってみろよ。』 えっ?これだけじゃないのか? 竜兄に言われた通り、ページを次々捲る。 あっ。ジニーとロン。 ん?世界的ロック歌手? はい? 更にページを捲る。 あっ。セル。 ん?世界的有名モデル兼俳優? んー。何だこれ。 「何?この3人は世界的にも有名な人なの?」 普通に聞いた。
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