【暴走Ⅲ その四】

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3人があまりに教えろと煩いので、あの頃の出来事を話した。 『って訳だ。俺は蘭花を守りたくて日本に帰って来た。それなのに蘭花には辛い想いを沢山させてたんだ。だけど、蘭花は強くて優しいから、そんな俺でも受け入れてくれる。俺には蘭花しか居ないんだよ。こいつ以外は考えられねぇ。』 竜兄が私を見て言った。 『そんな事があったんだな。俺、竜が日本に帰ってすぐに蘭花とは上手くいったんだと思ってたよ。』 ジニーが言った。 「私、竜兄の事覚えてなかったんだよね。最初は嫌ってたし。まぁ。あの頃は誰も寄せ付けなかったからね。竜兄が刺されて病院で何日も意識不明になってから竜兄に対する気持ちも分かったし。良いことばっかりじゃなかったよね。」 『そうだな。俺も死にかけたしな。』 竜兄が笑って言う。 『えっ?竜。刺されたのか?』 ロンが驚き聞く。 「私をかばってね。本当は私を狙ってきたんだけど。」 『何で蘭花が狙われるんだ?何かしたのか?』 セルに聞かれた。 『蘭花は、全国の暴走族の総取締役してんだよ。だから、逆恨みする奴に狙われたりするんだ。』 竜兄が説明した。 『総取締役って…。こんな可愛い蘭花が?大丈夫なのか?』 ジニーが心配そうに言う。 『こんな可愛い蘭花ちゃんは、実はすげぇ強いんだよ。格闘技制覇してるしな。そこらの男にも負けねぇ位な。俺もやられまくってるからな。お前らも絶対負けるな。』 竜兄。化け物みたいに言わないで下さい。
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