【暴走Ⅲ その四】

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『ゴメン。何も知らなくて。余計な事言って。』 セルが謝る。 「大丈夫だよ。謝らなくても。もう昔の事だし。いつまでも過去に縛られてても先に進めないからさ。竜兄がね。私が自分の髪も瞳も嫌いでも俺がお前の髪も瞳も好きでいるからって言ってくれたから。愛する人が好きでいてくれるこの髪も瞳も。だから、私もちゃんと向き合って好きになってやろうって思ってね。だから、私は私のままで居れるの。周りに何言われても私は私だから。竜兄が好きって言ってくれるから、それだけでいいんだ。」 竜兄を見て微笑んだ。 『俺は蘭花の全てが好きだから。髪も瞳も全部。お前が笑顔で居てくれたら何もいらねぇ。』 そう言って、またキスをした。 『何か。竜と蘭花の間には入る隙ないな。深いところで結ばれてんだな。』 ロンが私達を見て言った。 『本当。もう諦めた。蘭花は俺の天使にしとく。』 セルが変な事言ってる。 『だな。俺も。蘭花。写真撮らして。持ち歩くから。』 ジニーも変! 『お前らな。訳わかんねぇ事言うな。』 竜兄、呆れてます。 『竜はいいよ。いつも側に蘭花が居るから。写真位、いいだろ。なっ?蘭花。』 ロンに聞かれる。 「……撮るのはいいけど。何すんの?」 『ツアーとか寂しくなるから、蘭花の写真で癒される。』 ジニー? 『俺も。癒し効果欲しい。』 ロン? 『蘭花の写真見るだけで元気出るだろうし。いいだろ?』 セル? やっぱり、この3人。 アホだろ。
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