【暴走Ⅲ その四】

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『しょうがねぇな。帰る時にでも皆で撮ればいいんじゃねぇか?蘭花だけの写真はやらねぇ。分かったか?!』 竜兄の言葉にまたブーブーと文句を言っていたが仕方ないと諦めていた。 色んな話をしてその日はタクシーでホテルに帰った3人。 せっかくだから、明日は観光に連れて行く事になった。 朝、竜兄と私でホテルまで迎えに行く予定。 3人が帰ってから竜兄が片付けるからお風呂に入れと言うので先に入った。 「竜兄。お風呂入って。後は私がやるから。」 竜兄と交代して片付けを済ませた。 ソファーに横になり、あの雑誌を手に取る。 仰向けになりページを捲る。 あの3人の記事を読むと、本当に有名なんだと思った。 凄い事なんだろうけど、やっぱりピンとこない。 まぁ。いいか。 竜兄の記事を見る。 やっぱり、格好いい。 いつもはしない眼鏡をかけて写ってる竜兄。 まぁ。これ見たら憧れるよな。 周りが言うのも分かるね。 なんて考えていたら、いつの間にか寝ていた私。 『蘭花?寝たのか?』 顔に乗せた雑誌を取り上げ、竜兄が覗いてる。 「ん。いい男見ながら寝てた。」 眠くてうっすらとしか開かない目で微笑んだ。 『いい男って誰。』 私の髪を片手でかきあげながら、おでこにチュッとキスを落とす。 「私の竜。」 竜兄の首に両手を廻してキスを求める。 深く絡まるキス。 「……竜は私だけのものだから。」 離れた唇にそう告げると身体がフワッと浮いた。 竜兄に抱えられベッドに移される。 『蘭花。可愛い過ぎ。』 そう言って、また深くキスをする。 「…ッン…たつ…すき…ッア…ッン。」 上から私を見下ろす竜兄が色っぽい。 キスだけでも感じる私の身体。 「…たつ…きて…」 その愛が欲しい。 身体が求めるままに感じたい。 『蘭花。愛してる。』 愛を囁くその声が堪らなく私を刺激する。 「…私も。愛してる。私の竜。」 愛を囁き私を愛するんだ。 『…蘭花…綺麗だ…。』 うつ伏せる私に誓いのキスを落とす。 私から離れないと誓う。 背中の傷痕に落とすキス。
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