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『あのさ。何で呼んだか分かってるんだよね。』
少し俯きながら蓮兜兄が言った。
「翔兄の事だよね。」
『ん。何か翔から聞いてる?』
「何も聞いてないよ。蓮兜兄が最近来ないから、聞いてみたけど。蓮兜兄が忙しいからって。」
『それで、納得してる?』
「してないよ。だから、ケンカしたのか?とか、浮気したの?とか、呆れられたんじゃないのか?って、色々聞いてみたけど。」
『で?翔は何て?』
「浮気じゃないけど、似たようなものかもな。って。蓮兜が距離を置いて考えたいって言うから、それまでは何も話せないって。二人の問題だから。って言ってたよ。竜兄も私も二人の問題に口を出す気はないから。でもね。蓮兜兄。いつまでも待たせてたら、翔兄潰れちゃうよ。」
私の言葉に俯き何も言わない蓮兜兄。
「何があったのかは聞かないけど。翔兄にも蓮兜には何も言うなって言われてるけど。だけど!」
やめた。
翔兄が泣いてたなんて言ったらダメだ。
蓮兜兄を責める様な事、言えない。
『ごめんね。蘭花ちゃん。おれもどうしたらいいか分からないんだ。翔の事考えると辛くて苦しんだ。』
涙を堪える蓮兜兄が分かった。
「ごめん。蓮兜兄。責めるつもりはないの。ただ、翔兄と蓮兜兄にはいつも一緒に居てほしいから。幸せに笑っててほしいから。蓮兜兄。後悔しない様にきちんと答え出して。どういう結果になっても私は二人の味方だから。」
『ありがとう。蘭花ちゃん。翔。元気にしてる?無茶してない?』
やっぱり、心配なんだ。
「ん。最近、組の仕事にのめり込んでるみたい。あんまり、家に居ないからたまにしか会わないけど、元気だよ。」
ニッコリ笑って蓮兜兄に言った。
『そっか。ありがとう。蘭花ちゃん。本当にごめん。心配かけて。竜にも言っといて。』
「ん。伝えとく。じゃあ、私行くね。」
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