【暴走Ⅲ その四】

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「いいじゃん。だって竜兄の昔の事、知りたい。ねっ?教えて。」 『俺の事、聞いても何も面白くねぇぞ。まぁ。いいけど。』 でも聞きたい。 「で?どんなだったの?」 3人を見る。 セルが竜兄をチラッと見て話出した。 『竜はな。13歳の時に転校してきたんだけど。って言っても、俺達はあんまり学校も行ってなかったから学校で会った訳じゃないんだ。夜の街にたむろってた俺達にいきなり喧嘩を吹っ掛けてきたのが竜。俺達も結構人数居たんだけどさ。銀髪の男が現れたと思ったら、本当いきなりだぞ。殴りかかって来たんだよ。何に荒れてんのか知らなかったけど、こっちもいきなりだからな。その場に居た奴ら全員、竜に襲いかかった。』 するとロンが 『その時に殴られたのは俺ね。』 セルが話を続ける。 『だけど竜はめちゃくちゃ暴れて、血まみれになりながらも、まだ向かって来るんだ。さすがに皆、息もきれだして。その時のリーダーがジニーだったんだけどな。ジニーが俺らも竜も止めたんだ。で、何かあったのか?って話になって。なぁ。ジニー。』 セルがジニーに話をふった。 『あぁ。あの人数相手に全然怯まずに向かって来る竜を見て、すげぇ奴だって思ったな。まぁ。人数的にもどう考えても竜が殺られるのは分かったしな。だから、止めた。話が聞きたかったんだよ。何がこいつをここまでさせてんのか知りたくてな。最初は警戒してたみたいだったけどな。話してると少しずつ話してくれる様になったんだ。で、聞いてみると。俺は大事な奴一人守れねぇ。って。凄く守ってやりたいのに今の俺には何も出来ねぇ。こんな所に居る場合じゃないのに、早くアイツの側に居てやりたいのに。って悔しそうに言うんだよ。』 ジニーが竜兄を見た。
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