【暴走Ⅲ その四】

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今度はロンが話始めた。 『まぁ。それが蘭花だって言うのは後から知ったんだけどね。それから、一緒につるむ様になって敵対してる奴らとかと喧嘩の日々。竜はすげぇ強くて周りも一目置く位だった。悪い事もしたし警察にお世話になった事もあったんだ。だけど、ある日竜がいきなり学校に行くって言い出してさ。皆、今更馬鹿じゃねぇかって笑ってたんだよ。でも竜が言ったんだ。俺はアイツを守る為にやらなきゃいけない事がある。アイツの為に早く自立して守れる様になるんだ。って。』 セルが続ける。 『最初は皆、続かねぇだろって見てたんだけどな。でも、竜は違った。その日から本当に人が変わった様に勉強してバイトして頑張ってたんだ。学校も飛び級してるし高校、大学ってトップの成績で卒業する位。俺らも竜を見てたら、このままじゃいけないって思いだして学校にも行く様になったし、得意な事を生かして頑張ったんだ。だから、竜のおかげで俺達の今があるんだよ。勉強とバイトに明け暮れても、竜は俺達の溜まり場にも顔を出してくれてな。お前らとはずっと仲間だからって言ってくれた。』 竜兄はあまり聞きたくないのか、縁側の椅子に座って外を眺めてた。 皆で竜兄を見る。 すると、ジニーが 『だから、竜をここまで惚れさせた女が見たいって、ずっと言ってたんだ。やっと日本に帰れるって時には、竜 すっげぇ笑顔でさ。あの時の笑顔は今でも忘れられねぇ。ずっと蘭花に会いたくて、遥々来たって訳だ。』 すかさずロンが話出す。 『蘭花に会って納得した。見た目もだけど何より中身が竜が惚れた女だなって思ったよ。あの竜が惚れるだけの事はあるなって。ねぇ。』 ロンがジニーとセルを見た。 『あぁ。最初はどんな女なんだ?って興味本意で来たんだけどな。すげぇ納得させられた。初日から。』 セルが言った。 『まず、俺達見て何の反応も無かっただろ?わざとかと思ったよ。それか、気付いてないのかとか。なのに、本当に知らないとか驚いた。まして、竜にしか見向きもしないし。ちょっとショックだったよな。』 ……すいません。 「ありがとう。話聞かせてくれて。昔の竜兄が良く分かった。こんな私に会いに来てくれてありがと。」 3人を見て微笑んだ。 『『『 蘭花~♪』』』 うおっ!3人で飛び付いて来やがった!
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