【暴走Ⅲ その壱 】

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保健室を出て、一応生徒会室を覗く。 「あれっ?まだ居たんですか?」 二人でギャーギャー言っていた。 『あっ!蘭ちゃん!おかえり。』 『蘭花ちゃんを待ってたんだよ。』 相変わらず元気だな。 この人達。 「別によかったのに。ところで、何してたんですか?」 『あー。そうそう。大晦日。一緒に初詣行こうね!』 紗江先輩が笑顔で迫って来る。 『俺も行く!』 会長も思いっきり手を挙げている。 『だから、柳希君はバイトなんでしょ?行けないじゃない!』 『だから!蘭ちゃんが行くなら、バイトは休むの!』 『最初、予定聞いたら大晦日は忙しいって、言ったじゃない!』 『忙しいけど、蘭ちゃんが居るなら別だって、さっきから言ってるだろ!』 ………何じゃコイツら。 「…じゃ、私授業始まるので行きますねぇ。」 小声でそう言って生徒会室を出た。 まだ、ギャーギャー言い合ってるよ。 何なんだかねぇ。 帰りに二人にブーブー文句を言われたのは言うまでもない。 だって、二人ともくだらないです! でも、結局二人に言われ大晦日は初詣に一緒に行く事になった。 まぁ。いいけどさ。 昨年も本当は行くつもりだったのに、竜兄が病院に運ばれ、それどころじゃなかったしね。 今年は付き合いますか! どうせ、竜兄も着いてくだろうし。
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