【暴走Ⅲ その四】

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「うん。いきなり泊まるとか言い出したからさ。一泊だけね。露天風呂も気持ち良かったよ。景色も最高だったしね。ねぇ。竜兄。」 竜兄を見る。 『あぁ。たぶんな。俺、蘭花しか見てねぇからな。あの3バカが何しでかすか分からねぇし。』 あー。そうだったね。 『何?3人来たの?』 蓮兜兄に聞かれる。 「ん。ジニーとロンとセル。有名人らしいよ。私、知らないけど。知ってる?」 『…はっ?ジニーとロンって、あのロック歌手の?』 蓮兜兄、知ってんだ。 「みたいね。セルはモデル兼俳優って言ってたよね。」 お茶を飲みながら答える。 『はぁ?!映画とか出てるセルか?!マジでか?!』 翔兄も知ってんだね。 『そうだ。あいつら、いつの間にか有名になっちまって。聞いてはいたけどな。空港とかホテルで大変だった。わざわざ蘭花見るために休み合わせて取って来たんだと。』 竜兄もお茶を啜る。 『何?!本当なの?!超有名じゃん!3人とも!会いたかった!』 蓮兜兄が悔しそうに言う。 『俺も会いたかったな。教えろよな。』 翔兄も会いたかったのか? 「そんな会いたい位、有名な訳?私、全然知らなかったけど。写真送るって言ってたよ。」 『ほとんど蘭花と写ってるみたいだけどな。あいつら蘭花にベッタリだったぞ。終いには蘭花は俺達の天使だとか言ってたな。』 竜兄がお饅頭を食べながら言った。 『やっぱり、蘭花ちゃんは世界共通で可愛いいんだよね。あの有名人が惚れるくらいだしね。』 蓮兜兄が私を見る。 「違うよ。私が3人を知らなかったから、珍しかったみたいだよ。」
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