【暴走Ⅲ その四】

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『蘭花と竜は?どっか行ったの?』 お菓子を食べながら聞く詩音さん。 「箱根。温泉に行ったよ。」 『何だ。お前らも温泉行ったのか。』 父さんが言った。 『俺の友達がアメリカから急に遊びに来て、箱根に行きたいって言うんで連れて行ったんですよ。一泊だけですけどね。』 竜兄が説明する。 『おっ?竜にも友達居たのか?』 父さん!失礼だろ! 『ダチ位居ますよ。まぁ。悪友ってヤツですけどね。仲間のウチの3人が来たんですけどね。』 『冗談だ。お前の親父さんに聞いたよ。荒れてた時の仲間だろ?今、皆しっかり自分の人生歩んでるってな。皆、俺の可愛い子供みたいな奴らだって言ってたぞ。』 へぇ。そんな話するんだ。 父さんと竜兄のお父さん。 「ん。凄くいい人達だったよ。」 『蘭花をすげぇ気に入ってましたよ。』 竜兄が言うと 『当たり前じゃない。私の可愛い蘭花なんだから。』 詩音さん。お菓子を頬張りながら言わないで下さい。 『蘭花は俺のですよ。詩音さん。』 竜兄も負けず嫌いかい! 『蘭花は皆のものだよな!』 組長さん? 「私はものじゃないです。ところで夕食は?何か食べて来たの?蓮兜兄がロールキャベツ作ってくれたんだけど。私達もうそろそろ食べるけど。」 父さんと母さんに聞く。 『俺と母さんは食ってきた。お前ら食え。悪いな。蓮兜。』 父さんが蓮兜兄を見た。 『いいですよ。多めに作ったんでお腹すいたら食べて下さい。』 蓮兜兄と立ち上がりキッチンへ向かった。 夕食の準備をして、竜兄と翔兄を呼び四人で少し遅い夕食。 「美味しい。蓮兜兄も料理上手なんだし、お弁当作ればいいのに。」 いつもパンかじってる気がする。 『朝はダルいから必要最低限しか動きたく無いんだよね。』 低血圧か? 『翔が無理させてんじゃねぇのか?』 何を?竜兄。 『んな訳ねぇだろ。俺は優しいぞ。なぁ。蓮兜。』 『ん。翔は無理は言わないから。ただの低血圧だよ。』 やっぱり?!ってか、何の話だ?
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