【暴走Ⅲ その四】

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『蘭花さ。将来、そう言うの生かした仕事してみたらいいんじゃねぇか?』 竜兄に言われる。 「そう言うのって?難しいでしょ。そんな人に影響を与える様な仕事って。それさえ分からないよ。」 『まぁ。難しいよね。自分が何をしたいか、まだ決められないでしょ。』 蓮兜兄が言う。 『あれだよな。俺は物心ついた時から極道の世界に居て何の迷いも無かったし。蓮兜もやっぱり似た様なもんで親父さんの跡を継ぐ形だったろ。竜もまぁ何だかんだでそれなりの道が出来てた訳だしな。蘭花は何もない所から自分の将来考えねぇといけない訳だ。難しいって言えば難しいよな。』 翔兄がまともな事を言った。 「そうなんだよね。何がしたいって事も無いし。自分に何が向いてるかって、それさえ分からないからね。」 『蘭花はまだ今からだしな。色んな事考えてみればいいだろ。自分に合ってるかどうか何て、やってみねぇと分からないからな。深く考えたところで何か変わる訳じゃねぇし。今は今でいいんじゃねぇか。』 竜兄が言う。 「だよね。って、何進路相談になってんの?まぁ。これからは人生の先輩方にアドバイス求めるんで。その時はヨロシクねっ。」 3人を見て頭を下げる私。 『おうっ!いつでも相談のってやるぞ。』 翔兄が胸を張る。 『大丈夫だよ。蘭花ちゃんなら。』 蓮兜兄が微笑む。 『いつでも側に居るからな。』 竜兄が私の頭を撫でる。
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